『ウェブを進化させる人たち』3

湯川 僕は、ニュースサイトやニュースメディアの将来についてこれまでも思いをめぐらせてきました、ニュースサイトは最終的に、ニュースを中心にして、いろんな人が情報を出し合うコミュニティを作って行くものになるんだろうと思っていたんですよ。…

(p.18)

「まずニュース有りき」だと、コミュニティってできにくいんじゃないかな、と思います。そのニュースを書いた人/投稿した人、が見えないとだめなんじゃないかな。

ニュースだけがあると、そのニュースに向かってみなが勝手に言うだけのコミュニティになってしまうのではないでしょうか。ニュースを読んで何が感じて何かを書く人は、黙っていられないから言うよ!みたいなスタンスで、書いたことについての誰か他の人の意見を聞きたいのではない気がします。なので、それについて他の人からどうのこうの言われるのはあまり好まないのではないかなあ、なんか見てると。

やっぱり、コミュニティの中心は人なのではないかなと思います。そのニュースを書いた人が見える(個人が特定できる、という意味ではなくて、この記事を書いたのは確かに人だ、と解る、っていう感じで見えること)ようなニュースのリリースの仕方でないと…そのニュースを読み何か言いたくなった人はやっぱり、伝えたいから書くのではないかな、と思うのです。

ところで、現在のmixiのビジネスモデルは広告と有料サービス、ということで、このインタビューを読んでちょっと笠原さんの人となりに感動したので、早速mixiを有料サービスに切り替えました(^_^;)>

湯川 …以前は、アメリカのIT企業は技術寄りだけど、日本のIT企業はどちらかと言えばビジネス寄りだから、なかなか日本から新しいテクノロジーが生まれてこないと言われていました、ところが最近はその傾向にも変化が見られます。…

笠原 …新しい価値を生み出そうと突き詰めていくと、結局技術から作っていくしかないんですね。ビジネス寄り、ビジネス志向でもいろんな新しいサービスは生み出せると思っていますし、それは引き続きやっていきたいんですけれど、一方で技術寄りなサービスをやっていける力を持ちたいなと思っています。…

(p.25)

自分たちの創造したサービスを100%提供できるような技術ってそうそうあるもんじゃないから、やっぱり「作るしかない♪」なんだよね、と思います。日本のIT企業は総じて、今有る技術やシステムを使ってなんとかしようとする企業が多いかも。それは、開発力うんぬんよりも、「自分達が開発してもスタンダードになり得るのだろうか…」ということの方が大きいのではないかと思います。

志が小さい? 堅実主義? でも、日本人は器用貧乏なのが災いして、今ある物でなんとかしよう思考が働いてしまうのではないかな〜と思います。

アメリカのIT企業は、「うおお、かんかこれこれこーするとこんなことができるぜ新しい技術はすげいぜマジでこれ使ってなんかやろう!」みたいなメンテリティーがあるのではないかな? …って、自分が前にいたところがそんなところだったのですが(^_^;) コンテンツとかそういうのはあんまり興味がなく、そういうのはプランナーとかに任せればいいのさ、っていうgeekyな開発者が多かったように思います。

技術よりなサービスをやっていける力を持ちたい、という笠原氏の意見に強い共感を覚えました。私もコンテンツか技術か、と言われたら、まずは「どっちも!」と答えるけど、どちらかと言われたら「技術」と答えますね…。どちらかがなくてもいい、という意味ではなくて。ネットで見せる意味があるコンテンツなのか、ネットで展開することに意味があるコンテンツなのか、ということを考えます。ネットでなくてもよかったら、ネットでやってもおもしろくできないのだったら、ネットでやらなくてもいいじゃん、と思うのです。ネットでやる意味は、ネットの技術を使って展開できるからだと思います。となれば、技術が担っている、他のメディアでできないことを、ネットで、その時代そのときの最大限に活かして展開していきたいと思っています。