『ウェブを進化させる人たち』10
湯川氏の「日本のベンチャー企業やネット産業にとって、一番足りないと思われるものはなんでしょうか?」の問いに対して、小林氏が上げているのが、
- 日本はサービスに偏っている部分があるように思う。
- コミュニティのマネイジメントを行っている企業が、非常に経営に優れている。
- でも日本のネット系のサービスはきめ細かなサービスを提供している。
- アメリカの企業は、無駄な人が多くて人件費がかさんで大変だった時期があったけど、日本の場合はもともとスリムな作りの企業にする。
- 技術志向の企業が弱い。チャレンジしている人数が少ないので“当たり”が出てこない。
などを挙げられたいた。エンジニアが活躍できたり夢をもって働ける環境っていうのはまだまだ少ないんですね…。最近では増えてきたみたいです。
小林 …いわゆるネット第一世代の企業である程度の期間頑張って、独立して会社を作るという、いわばネット代に世代の人や企業が増えてきています。
そのような人たちは、成長する会社はどんな会社なのかを分かっているうえ、業界知識も持っていることから、非常に安心感のある起業家群が増えてきたと感じています。ただ、起業する会社がネットサービス系に偏っているというところが気になりますね。
ネットで、人出やら資金やら少数で始められることって言ったら、ネットサービスしかないということじゃないのでしょうか?
「NILS」のこと、知りませんでした。経営者のカンファレンスかあ…これこそ、カンファレンスの意味があるような気がします。特にネットワーク作り!
湯川氏も小林氏も、今後のネット上の有力企業はソーシャルメディアになっていく、と分析している。
小林 …既存のメディアがソーシャルメディアを中心として成り立って行く形になると思っています。
湯川 …既存のメディアはなくならない、そこにCGMのようなものが補完する形で落ち着くということをおっしゃる方が多いです。
でも僕は逆になるのではないか、ソーシャルメディアが中心になるのではないかと思っています。
既存のメディアはなくならない、と思います。それを実現するテクノロジは変わることはあると思いますけど。少なくとも、もっと高速に、もっと高密度に、もっと広帯域に、なるだろうな。ワイヤレスに、とか、タイムリーに、とか、そういう変化もあると思います。
そうか、テクノロジはあくまでも、ソーシャルリレーションを盛り上げたり繋いだり広げたりするためのメディア、というわけか。それは分かりやすいですね、っていうか、普通そうだろと思うのですが、違ったの? 違っていたの?
湯川 今まで僕はSNSをツールとしてというより、コミュニティと考えていました。コミュニティというのはネットワーク効果が働いて、みんなが集まればそこに集まってくる。逆に言えばユーザーを囲い込むことだってできる。そして最大手はいつまでも最大手でいられると思っていました。
でもアメリカの例を見ると、先発企業が後発起業に簡単に抜かれてしまった。どうしてなんでしょうか。やはりSNSはコミュニティというより、ツールだからでしょうか。
ツールだからだと思います。コミュニティには、場がないんだと思います。メンバーがいて、コミュニケーションが取れれば、それがコミュニティなんです。だからいつでもどこでも移動できる。
新しい繋がり方でコミュニティを形成する、ということは、先発というか一番最初にやった人勝ち!だと思うのですが(今だって、SNSという単語よりもmixiって単語の方が認知度が高いっていうようなものだし)、そこにそのまま留まっていただくっていうのはそうとう難しいことかなと思います。椅子があったからみんな集まってきて座っていたけど、ここも混んできたし、あ、あっちにも椅子があるよ、もっと快適そうじゃない?と思ったら、みんなで「よっこらしょ」って他所へ移って行ってしまう、というわけですね。でも、サービス側としては「そんな〜!」って気持ちですよね(^_^;)今までがんばって椅子を開発して用意してきたのに…って。うーんでもこれはしょうがないよね、しょうがないなと思うのです。椅子を魅力的にする努力を続けていかなければ、ですね。
モバイルについては、これから益々検索技術が問われると思う。出先でなんか情報が欲しいなんていうシチュエーション、もうすぐそ情報欲しいじゃん、すぐ! しかも正確に!
モバイル環境は、もうナシでは情報化社会は有り得ないと思います。これから、コンテンツなりサービスなりを作っていくことを考える場合は、モバイル環境でどう展開していくかってことを考えないと、サービスが制限されてしまうように思います。
アフェリエイトは、どうなのかなあ。なんか自分はあんまり興味ないです。実感もない。アフェリエイトで儲けている人、知ってはいますけど、そこにビッグ・ビジネスのうねりが見えません。やっぱり私は経営者向きじゃ、ないんですね(^_^;)