『ウェブを進化させる人たち』1

PART1「コンシューマビジネスの旗手たち」としてピックされたのは、4人。最初は株式会社ミクシィ代表取締役社長、笠原健治氏。テレビで笠原氏がインタビューに答えてしゃべっているところを見たことがあったので、声やビジュアルをちょっと思い出しつつ読んでみた。

mixiは、自分も使っているサービスだし、興味深かった。

湯川 では成功の秘訣を聞かせてください。なせmixiは、こんなに成功したと思われますか。
笠原 運営側としては、成功したとは思っていないです。まだまだできていないことがたくさんありますし、今でもまだ底のほうにいるような気持ちでいます。

(p.12-)

まだ継続中のサービスだしこれは終りがあるものではないから、いつどこで成功した失敗したと判断すればいいのかわからないとは思うけど、どうなんだろうか、まだまだとはいえ、今あるmixiのサービスのカタチやユーザさんたちの振る舞いは、ある程度運営側が意図したり予想したりしていた通りになっているのだろうか。

続きを読むと、笠原氏はこの成功したとは思っていないということを「一生懸命いろいろやっているんですけど、なかなかそれが表に出し切れていないと感じています」と言っている。あと、やりたいことが、スピードであったり水準であったりが足りていないと感じているようだ。それが何に起因していると思うのか聞きたいなあ。そして、それは改善の余地のあることなのか、改善するつもりはあるのか。

mixiの魅力について、笠原氏は、次の様に述べている。
1)自分の身近な人と気軽にコミュニケーションできること
2)自分の趣味や興味について、細分化された中でコミュニケーションしていけるようになっている
3)1人1人がそれぞれにカスタマイズされた自分が欲しい情報を、100%収集できる可能性があるサービス
4)ユーザー自身が情報を発信できて、それを情報として収集することもできる
5)自分の発信した情報に対して、リアクションが返ってくる楽しさもある

1)については同意する。しかし、その逆、「自分の身近な人と気軽にディスコミュニケーション」はできないと思う。そしてこれが出来ないとわりと不便ではないかなーと思うのだ。だれかれ構わずマイミクにしちゃっている人にとっては“身近”の幅が大きくなってしまっていると思う。友だちったってランクみたいなものがあるでしょう? 親しさの度合いというか。その時は乗りでマイミク申請してしまったけど、一回申請したらなあ切れないしなあ、ということになってしまっており、身近な人と気軽にコミュニケーション・ツールとして成立しなくなってしまっているなんて状況があるのではないだろうか? それがいわゆる「mixi疲れ」とか「mixi離れ」なのかもしれない。実生活なら、頻繁に連絡しなくなるとかメールや電話が来てもすぐに返事しないとかスルーするとか、いわゆるフェード・アウトの方法はたくさんあるような気がする。mixiは今、自分がアクティブだと、それがマイミクさんにはつつがなく報告されてしまう。こいつアクティブなのにオレには連絡してこねーじゃんどーゆーこと?みたいな感情が生まれやすいのかもしれない。んなのに腹立てたり非難してもしょうがないんだけどね。

2)についても同意。しかし、自由度が高いばっかりに同じ様なコミュニティーが乱立してしまい、情報が分散/閉鎖されてしまっているケースも見られる。ヘタすると対立しているところもあったりして。その辺のことは、実社会でのごたごたと対して変わらない。それをテクノロジーが解決するすべはないのか。難しいね。

3)については、可能性があるかと言われると、yes。カスタマイズする仕組みはまだまだ整っていないねえ。100%収集できるかなあ。

4)、5)有益なレスポンスを得ることができる、というのなら、yes。益かそうじゃないか、は、あくまでも個人の価値観だから。まあ全く得る物がなにもないという人はmixiを去れば良いわけだし。「楽しさもある」というのの“も”は、言い得て妙。楽しさばかりではないからね。または、楽しさを得る為には多少の苦痛ややなこともあるよ、とか。